FXのおすすめ通貨ペアはなに?
トレードスタイルごとにおすすめ通貨ペアは異なりますが、たとえばFX初心者におすすめの通貨ペアは、「米ドル/円」、「ユーロ/米ドル」、「英ポンド/米ドル」です。
この記事では、通貨ペアの解説や、トレードスタイルごとにおすすめの通貨ペア、通貨ペアを選ぶときのポイントなどについて詳しく解説していきます。
通貨ペアとは
FX取引では、2つの異なる通貨を売買して利益を得る取引ですが、その時に取引する通貨の組み合わせを通貨ペアと言います。
たとえば、通貨ペアとしては「USD/JPY(ドル/円)」「EUR/JPY(ユーロ/円)」「EUR/USD(ユーロ/米ドル)」などがあります。
ドル/円で取引する場合は、「米ドルを買い、円を売る」「米ドルを売り、円を買う」という取引を行うことになります。
また、通貨ペアに関連する以下のFX用語を覚えておくと便利です。
基軸通貨/決済通貨
FXの取引画面などにおいて、「USD/JPY」などの通貨ペアが表示されておりますが、この左側が「基軸通貨」、右側が「決済通貨」です。
基軸通貨は、決済通貨を取引する時の基準となる通貨です。
「USD/JPY」を例に挙げると、1ドルを買うためには何円必要かを表していることになり、たとえば「144.323」と表示されていたら、その時点では1ドルを買うために144.323円必要になります。
メジャー通貨/マイナー通貨
各通貨ペアは、以下の表のように、一般的に取引量が多く流動性の高いメジャー通貨ペアと、取引量が少なく流動性が低いマイナー通貨ペアに分類されます。(※明確に分類できない通貨ペアもあります)
メジャー通貨ペア | マイナー通貨ペア |
---|---|
USD/JPY、EUR/JPY、GBP/JPYなど | NZD/JPY、ZAR/JPY、CHF/JPYなど |
参考:金融庁
メジャー通貨ペアはスプレッド幅が狭く、マイナー通貨ペアはスプレッド幅が広い傾向があります。
そもそも海外FXについてや口座開設方法などを詳しく知りたい方は以下の記事もご参考ください。
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おすすめの通貨ペアを選ぶポイント
自身のトレードスタイルに合わせたおすすめの通貨ペアを選ぶにあたり、以下のポイントを抑えると良いです。
- 流動性(取引量)
- ボラティリティ(価格変動の大きさ)
- スプレッド(買値と売値の価格差)
- スワップポイント(金利差による損益)
- その通貨ペアに関わる情報の多さ・分かりやすさ
なお、取引する通貨ペアを慣れていない状態でむやみに増やしすぎないようにご注意ください。
また、複数の通貨ペアを保持する場合、お互いの利益が反比例的な動きをする通貨ペアを保持しないようにご留意ください。
片方が利益を上げても、片方の損失で打ち消されるため、結局収支が打ち消されてしまいます。
流動性(取引量)
通貨ペアを選ぶ際に最も重要なポイントの一つが流動性です。
流動性が高い通貨ペアは取引量が多く、売買がスムーズに行えるため、注文が通りやすく、スリッページ(意図しない価格で約定する現象)が起こりにくいことが特徴です。
流動性の低い通貨ペア(マイナー通貨ペア)は、スプレッドが広がりやすく、取引コストが増えるリスクがあるため、初心者は流動性の高い通貨ペアを選ぶのが無難です。
ボラティリティ(価格変動の大きさ)
ボラティリティとは価格の変動幅の大きさを指し、FXトレードにおいて利益を狙えるチャンスの多さを意味します。
ボラティリティが高すぎると損失リスクも大きくなるため、自分のトレードスタイルに合った通貨ペアを選ぶことが重要です。
スプレッド(買値と売値の価格差)
スプレッドとは、通貨を売買する際の「買値」と「売値」の差額のことです。スプレッドが狭いほど取引コストが低く、短期トレードを行う際に有利になります。
一方、マイナー通貨ペアやボラティリティの高い通貨ペアはスプレッドが広がりやすく、取引コストが増えるため、特にスキャルピング取引では注意が必要です。
スワップポイント(金利差による損益)
スワップポイントとは、2つの通貨の金利差によって発生する利益または損失のことです。金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売ることで、スワップポイントを受け取ることが可能になります。
ただし、スワップポイントは政策金利の変更や為替変動によって変化するため、スワップ目的の長期運用をする場合でも、リスク管理が重要です。
その通貨ペアに関わる情報の多さ・分かりやすさ
通貨ペアを選ぶ際には、その通貨に関する経済ニュースや分析レポートがどれだけ豊富にあるかも重要なポイントです。
マイナー通貨ペアは、情報が少なく、予測が難しいため初心者には不向きです。初心者は情報が多く、値動きの予測がしやすいメジャー通貨ペアを選ぶのがおすすめです。
おすすめの通貨ペア
流動性やボラティリティなどのポイントを抑えた上で、取引スタイル別のおすすめ通貨ペアを見ていきましょう。
FX初心者
FX初心者の方には、以下の通貨ペアがおすすめです。
- USD/JPY(米ドル/円)
- EUR/USD(ユーロ/米ドル)
- GBP/USD(英ポンド/米ドル)
考慮するポイントとしては、以下の要素があります。
- 流動性(取引量)
- ボラティリティ(価格変動の大きさ)
- スプレッド(買値と売値の価格差)
- その通貨ペアに関わる情報の多さ・分かりやすさ
初心者の方には、流動性が高く取引がスムーズにでき、取引コストが低く、適度な価格変動がある通貨ペアが望ましいです。
また、ニュースと価格変動の関係も結び付けられ、値動きの理由を肌感覚で理解しながらもFXを学んでいける点がおすすめです。
スキャルピングトレードにおすすめの通貨ペア
スキャルピングトレードには、以下の通貨ペアがおすすめです。
- USD/JPY(米ドル/円)
- EUR/USD(ユーロ/米ドル)
- GBP/USD(英ポンド/米ドル)
考慮するポイントとしては、以下の要素があります。
- 流動性(取引量)
- ボラティリティ(価格変動の大きさ)
- スプレッド(買値と売値の価格差)
- その通貨ペアに関わる情報の多さ・分かりやすさ
スキャルピングトレードでは、特に流動性やスプレッドを重視しましょう。
流動性が高い通貨ペアで任意のタイミングで売買を行い、小さいスプレッドで売買コストをかけずに取引しましょう。
デイトレードにおすすめの通貨ペア
デイトレードには、以下の通貨ペアがおすすめです。
- USD/JPY(米ドル/円)
- EUR/USD(ユーロ/米ドル)
- AUD/USD(豪ドル/米ドル)
考慮するポイントとしては、以下の要素があります。
- 流動性(取引量)
- ボラティリティ(価格変動の大きさ)
- スプレッド(買値と売値の価格差)
- その通貨ペアに関わる情報の多さ・分かりやすさ
デイトレードでは、任意のタイミングで低コストの売買を行え、適度なボラティリティがある通貨ペアでの取引がおすすめです。
スイングトレードにおすすめの通貨ペア
スイングトレードには、以下の通貨ペアがおすすめです。
- USD/JPY(米ドル/円)
- EUR/USD(ユーロ/米ドル)
- AUD/JPY(豪ドル/円)
- GBP/USD(英ポンド/米ドル)
考慮するポイントとしては、以下の要素があります。
- ボラティリティ(価格変動の大きさ)
- スワップポイント(金利差による損益)
- その通貨ペアに関わる情報の多さ・分かりやすさ
数日~数週間にわたってポジションを保有するスイングトレードでは、流動性やスプレッドはそこまで重視する必要はありません。
中長期的なポジションを取るため、しっかりとした価格変動があり、スワップポイントによる利益を狙える通貨ペアがおすすめです。
ポジショントレードにおすすめの通貨ペア
ポジショントレードには、以下の通貨ペアがおすすめです。
- USD/JPY(米ドル/円)
- AUD/JPY(豪ドル/円)
- USD/TRY(米ドル/トルコリラ)
- NZD/JPY(ニュージーランドドル/円)
考慮するポイントとしては、以下の要素があります。
- スワップポイント(金利差による損益)
- その通貨ペアに関わる情報の多さ・分かりやすさ
数か月から数年にわたってポジションを保有するポジショントレードでは、スワップポイントが利益に大きく影響します。
また、長期的な経済状況や政治情勢を考慮するため、信頼できる情報源を使って分析しやすい通貨ペアを選ぶことが重要です。
中には、XMのKIWAMI極(キワミ)口座などのように、スワップポイントが発生しない口座もあるため、スワップポイントを考慮せず、長期的な価格変動のみを考慮した取引を行うトレーダーもいます。
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これまで挙げてきた以外にも、様々な通貨ペアがあります。
通貨ペアを選ぶときのポイントを参考に、ご自身にあった通貨ペアを探してみてください。
おすすめ通貨ペアについてよくある質問
Q1. ボラティリティが高い通貨ペアは初心者に向いていますか?
A1. ボラティリティが高い通貨ペアは、短期間で大きな利益を狙える一方で、損失のリスクも大きくなります。そのため、初めのうちはボラティリティが適度な通貨ペアで取引し、慣れてきたらボラティリティが高い通貨ペアに挑戦するトレード方針がおすすめです。
Q2. マイナー通貨ペアでの取引は初心者に向いていますか?
A2. マイナー通貨ペアは、流動性が低く、スプレッドが広い傾向があるため、取引コストが高くなることがあります。また、価格の変動が激しく、情報も限られているため、初心者にはあまり向いていません。
Q3. 新興国通貨ペアは初心者に向いていますか?
A3. 新興国通貨ペアはスワップポイントが高い傾向があるため、長期保有で利益を得られる可能性がありますが、ボラティリティが非常に高く、政治・経済リスクも大きいです。初心者にはリスクが高いため、最初は主要通貨ペアで経験を積んでから、新興国通貨ペアに挑戦するのが望ましいです。