MT4とは何ですか?


MT4(MetaTrader4)は、海外FXや金融商品の取引などに用いられる無料のプラットフォームです。
利用者数は世界で200万人を超えるとされており、多くのトレーダーが利用しています。
MT4の人気の理由には、使いやすさや機能性、カスタマイズの自由度が高い点などが挙げられます。
本記事では、MT4の利用を考えている方へ向けて、特徴やメリット、注意点やデメリット、活用ポイントについても詳しく解説しますので、参考にしてください。
MT4とは
MT4は、ロシアのMetaQuotes Software(メタクオーツ・ソフトウェア)社が開発した無料のFX取引プラットフォームです。
ビギナーからエキスパートまで幅広いトレーダーのニーズを満たす機能が備わっています。
また、カスタマイズ性が高く、多くのユーザーが利用しているため、情報交換やEA(自動売買)の共有などのコミュニティが広い点も多くのトレーダーに支持される理由です。
FX取引プラットフォームはMT4のほかにもありますが、使いやすさや機能性・カスタマイズ性が高いうえに、基本的な機能は無料で利用できる点はMT4ならではの特徴といえるでしょう。
コストを抑えてFX取引を行いたい方や、ほかのトレーダーと情報交換をしたい方などに向いているプラットフォームです。
MT4の特徴
MT4の主な特徴は、次の5点です。
- 無料で利用可能
- 自動取引(EA)が可能
- バックテストが可能
- 多数のインジケーターの利用が可能
- チャート上から即座に注文可能
これらの特徴はMT4を利用するメリットでもあります。
無料で利用可能
MT4は基本的な機能は無料で、MT4を導入しているFXブローカーの口座を開設すれば、だれでも利用可能です。
MT4の豊富な機能は後ほど詳しく紹介しますが、豊富な機能を搭載したプラットフォームは有料で提供されるものがほとんどです。
実際に提供されているそのほかのプラットフォームでも、MT4と同等の機能があるものは有料で提供されています。
有料で提供されているプラットフォームは、月額2,000~1万円程度の利用料が発生するため、MT4なら運用コストが抑えられます。
ただし、基本的な機能はすべて無料で利用できますが、MT4でも一部有料のインジケーター(ツール)が販売されており、インジケーターの利用料がかかる場合があるためご注意ください。
自動取引(EA)が可能
MT4ではEA(Expert Adviser)と呼ばれる「自動売買システム」を使用できます。
EAはあらかじめ設定しておいたルール(ロジック)に則って自動で取引してくれるシステムで、相場を常に見続けるのが難しい方に向いています。
EAはルールに基づき自動で売買してくれるため、人の感情や判断に左右されるリスクがありません。
また、ルールは自身で設定できるため、トレードスタイルに合わせた設定が可能です。
さらに、MT4では自作のEAも利用できます。
EAを自分で作るにはプログラミングの知識が必要になりますが、MT4は利用者数が多くコミュニティが広いがゆえにインターネット上でも多数のEAシステムが提供されています。
無料のものから有料のものまで多数のシステムが提供されているため、使いやすいシステムを見つけやすいでしょう。
バックテストが可能
自動取引(EA)を始める前にはバックテストの検証が必要です。
バックテストは、過去のチャートデータをもとに「過去の相場でEAを稼働した場合に利益が得られていたか」を検証するものです。
EAを利用すれば完全に放置していても利益が得られると思う方もいますが、EAを上手く活用するためには利益が得られるルールを自身で設定・検証し、最適なパロメーターで稼働させる必要があります。
MT4では、EA稼働に必要なバックテストの検証機能がデフォルトで備わっています。
多数のインジケーターの利用が可能
利用者数が200万人を超え、広いコミュニティを持つMT4では多数のインジケーターを提供しています。
提供されているインジケーターは、ボリンジャーバンド・MACD・移動平均線(MA)など50種類以上あり、ダウンロードすれば簡単に利用可能です。
インジケーターは、一言でいえば「相場分析のサポートツール」で、相場の傾向や売買のタイミング把握に役立ちます。
トレードスタイルに合わせて複数のインジケーターを組み合わせることで、売買サインの信ぴょう性が向上します。
取引作業の効率化や標準化を図りたい方にとって、なくてはならないツールのひとつです。
チャート上から即座に注文可能
MT4はワンクリック注文が可能なだけでなく、ストリップ注文およびリミット注文の処理をドラッグ&ドロップで即座に行えます。
FXにおいて取引チャンスを逃さないためには、常に相場を見守ったり決断力を鍛えたりすることも大切ですが、便利なツールの活用や、トレードスタイルにあったプラットフォームを使用することは非常に重要です。
MT4は分析を行っているチャート上で処理が可能なため、取引チャンスを逃しにくいです。
MT4の注意点
MT4の主な注意点には、次のようなものがあります。
- 高機能であるがゆえに慣れるまでに時間がかかる
- バックテスト機能には限界がある
- スプレッドが広い場合がある
- 動作が重くなる傾向にある
- 自動売買システム(EA)にはリスクがある
これらの特徴はMT4利用時のデメリットでもあります。
高機能であるがゆえに慣れるまでに時間がかかる
MT4が高機能という点は大きな特徴やメリットのひとつですが、高機能がゆえに取引に慣れていない方やパソコン操作に疎い方であれば、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
注文処理やインジケーターの表示など、基本的な処理は非常にシンプルで初心者の方でも操作しやすいです。
しかし、独自のインジケーターの作成やEA(自動売買)の導入などには、時間がかかるかもしれません。
そのため、高機能なMT4を使いこなすためにもFXブローカー選びは重要です。
わかりやすいマニュアルが提供されているか、MT4のサポートにも対応しているかなど、サポートが充実したブローカーを選びましょう。
バックテスト機能には限界がある
MT4にはデフォルトでバックテスト機能が備わっているものの、その機能には限界があります。
これはMT4に限った話ではありませんが、バックテストは過去の相場をもとに利益の検証を行うため、実際に稼働させてみると思うような結果が得られない場合があります。
バックテスト機能だけでなく、デモトレードを行うなど、リアルタイムの相場も観察したうえで稼働させましょう。
そのためにも、実際のシステムと同じ環境を体験できるFXブローカーを選ぶのがおすすめです。
スプレッドが広い場合がある
スプレッドは、通貨ペアごとに設定されている売値と買値の差額で、取引コストとして扱われます。
そのため、スプレッドが狭いほど低コストで利益が得られやすいです。
しかし、MT4を導入しているFXブローカーのなかにはスプレッドが広く設定されているところがあります。
スプレッドの広狭は利益大きな影響を与えるため、FXブローカー選びは慎重に行いましょう。
動作が重くなる傾向にある
MT4はカスタマイズ性の高さが利用者に支持されていますが、その反面PC動作が重くなる傾向にあります。
動作が重くなるとチャートの表示速度が遅れて希望する価格で注文できないなど、利益に悪影響を及ぼす場合もあります。
ただし、この問題はパソコンのスペックによって解決は可能です。
MT4の充実した性能を十分に発揮させるためにも、パソコン環境を整えましょう。
また、インジケーターを複数表示させていると重くなるため、利用していないインジケーターは外すなどの対応も必要です。
自動売買システム(EA)にはリスクがある
これもMT4に限った話ではありませんが、自動売買システム(EA)の提供は金融商品取引法などの法律に触れる恐れがある点です。
システムの販売や利用するだけで法律に触れることはありませんが、投資助言や代理業には金融商品取引法で定められた登録が必要です。
そのため、無登録業者からサポートシステムつきの継続的なEAシステムの販売や、顧客口座で顧客の代わりに自動売買を行うなどの話が持ち掛けられた場合にはご注意ください。
このような業者からEAを購入してしまうと、知らないうちに違法なサービスを受けてしまうことになります。
最悪の場合には、口座アカウントの凍結や法律上の責任が問われる可能性もあります。
FXブローカーで口座開設を行う際には、EAについてどのような方針をとっているのかを必ず事前に確認してください。
MT4を使うためのステップ
MT4はダウンロード・インストールするだけで、簡単に利用できます。
以下では、初心者の方にもわかりやすいMT4を利用するためのステップを解説します。
1.MT4インストール前にPC環境・スペックを確認
MT4は高機能がゆえにパソコンのスペックによっては、動作が重くなってしまうことがあるため、事前にパソコンのスペックを確認しておきましょう。
MT4利用に望ましいスペックは、以下のとおりです。
OS | Windows 10以降(ChromeOS・macOSは利用不可) |
---|---|
CPU | Core i7以降またはRyzen 7(最新のものほど望ましい) |
クロック周波数 | 2GHz以上 |
コア数 | 4コア以上 |
メモリ | 4~8GB以上 |
また、HDD/SSDも十分な空き容量があるかや、安定したインターネット環境であるかも確認してください。
2.ブローカーを選び口座を開設する
パソコンがMT4利用できるスペックのものか確認できれば、次はFXブローカー選びです。
FXブローカー選びは非常に重要で、数あるブローカーのなかから「安全・信頼性」「手数料」「スプレッド」「レバレッジ」などを参考に選びます。
前項で解説したとおり、効率よく利益を生み出すためには操作性やスプレッドの狭さなどのポイントが重要となってきます。
また、EAの提供には金融商品取引法が絡んでくるため、信頼できるブローカーであるかという点も重要です。
実際に利用している方の意見・評判を参考にしながら、トレードスタイルや条件に合ったブローカーを選びましょう。
ブローカーを選んだら、ブローカーの公式サイトよりアカウント登録・口座開設を行います。
口座開設だけであれば本人確認書類の提出が不要なブローカーも多く、わずか数分で新規口座開設できるところもあります。
3.MT4サブアカウントを開設・ダウンロード
口座開設が完了すれば、MT4の公式サイトにアクセスし、サブアカウントを開設・MT4をダウンロードします。
サブアカウントは、公式サイトの右上のログインから、FXサブアカウントの作成または株価指数CFDサブアカウントの作成を選択し、口座名とパスワードを設定するだけで作成完了です。
サブアカウントの作成が完了したら、次の画面で[上記の規約に同意の上、MT4をダウンロードする]のボタンをクリックすると、MT4のダウンロードが開始されます。
ダウンロードファイルをクリックし、インストールが完了すれば、MT4が立ち上がります。
MT4の活用ポイント
MT4をうまく活用するポイントとしては、下記の3つが挙げられます。
- 取引環境を整備する
- ツールを有効活用する
- スマホ版アプリと連動しポップアップ通知をオンにする
順に確認していきましょう。
取引環境を整備する
パソコンスペックのほか、VPSの活用や資金管理の徹底といった取引環境の設備は、MT4を活用するうえで重要です。
MT4ではEAを利用される方も多くいますが、EAは常にアプリケーションを起動させ続ける必要があるため、パソコンの故障や災害などのリスクに備えてVPSの利用をおすすめします。
また、MT4には損切りや利確を自動設定する機能があり、損失を最小限に抑えて利益を確保できます。
安定した取引を行うためにも、資金管理を徹底しましょう。
ツールを有効活用する
MT4には、豊富なインジケーターやバックテスト機能といったさまざまなツールが備わっています。
MT4を利用するのであれば、これらの充実したツールを最大限に利用しましょう。
ただし、インジケーターを複数表示させていると動作が重くなるため、利用していない機能は外すなどの対応も必要です。
スマホ版アプリと連動しポップアップ通知をオンにする
MT4は、スマートフォン版アプリも提供されています。
スマートフォンを利用すれば出先などでも気軽に相場を確認できるため、非常に便利です。
また、アプリには約定通知やアラームをポップアップで通知させる機能があります。
アプリと連動させるのであれば、すぐに変化を知れるようにポップアップ通知をオンにしておきましょう。